ひとつの社史にさまざまなメリットが含まれていますが、より多くの方に読まれる魅力的な社史とは一体どのような特徴があるのか気になります。そこで続いては、読まれる魅力的な社史の特徴を踏まえて、社史づくりに活かしたいポイントや工夫について紹介します。
多くの方に「読みたい!」と思わせる魅力的な社史には、「見やすさ」という特徴があります。昔ながらの書籍はもちろん、最近増えている電子媒体タイプの社史やWEBタイプの社史など、さまざまな形をした社史が存在しますが、どの社史にも共通して重要とされるのが見やすさです。
分厚くてテキストばかり並んだ社史よりも、ビジュアル的に美しい魅力的な社史は第一印象がよく手に取って読みたいという気持ちが強くなります。例えば、要所ごとに写真などを挟むことで文字だけでは伝わりにくい文章もイメージしやすくなりますし、インタビュー動画などを加えることで閲覧者に飽きさせない工夫をすることができます。
見やすさを意識することにも共通していますが、「ユニークな工夫を取り入れる」と社内はもちろん、外部の閲覧者からも大きな関心を集めることができます。例えば、創業から現在までを「ストーリー仕立て」にして社史にまとめると、小説を読んでいるかのように読みやすい社史を作ることができます。
また、スマートフォンやタブレット端末が普及したことで、電子書籍を利用される方も増えていることから、年齢問わず、より多くの方に手にしてもらえるように社史を「マンガ」にして分かりやすく描くのもおすすめです。ビジュアル的にもストーリー的にも評価の高い社史は、SNSや口コミで拡散されて大きなPR効果を生み出すチャンスにもつながります。
文字を読みやすくする、目立たせるなど、「色の効果」は社史の視認性を高めるためにも有効です。色の鮮やかさや色の明るさ、暗さなど、どういった色を選択するかによって人に与える印象が異なるためです。特に、社史を企業の商品やサービスをアピールするPRツールとして活用する場合は、デザインセンスがよくで、見やすい社史のほうが第一印象で人の関心を引き付けやすくなります。昔は、企業の歴史や歩みを文字に起こして保存することが目的だった社史ですが、今では雑誌やカタログのようにフルカラーで社史を制作する企業が増えています。
画像や色など、ユニークな工夫を取り入れた社史は手に取ってもらいやすくなりますが、それと同時に飽きずに「読まれる」魅力的な社史を制作する必要があります。例えば、印象的で目を引く社史であっても、読み進めていたら内容が分かりにくいといったことがよくあります。そのため、社史の編纂をする際は読む人に分かりやすく伝える書き方になるように工夫が必要ですし、事実に沿った充実した内容になるように会社の記録や従業員の証言をもとに情報を細かく収集することが大切です。
日本の社史制作は、企業が自費で出版するのが一般的ですが、社内用としてだけでなく、対外的にも広く活用することを目的とするならば「プロの力を借りる」ということも一つの方法です。社史編纂に携わる社員の多くが社史を作ったことがない未経験の方が多いですし、通常業務の傍ら作業をしなければならないなど、イメージ通りに社史を完成させるにはかなりの時間と労力を要します。
社史制作は、準備から企画、情報収集、取材、編集といった流れで進んでいきますが、はじめての方には難しい企画の部分や進行状況の管理といった面をプロに委託することでより質の高い、読まれる魅力的な社史に仕上げることができます。